もう雨なんて怖くない

帰りの電車を降りると夜雨が降っていた。始まりかけた春を忘れ、去り行く冬の寒さを思い出した。満開の桜もじっと耐えていた。

 

いつ雨が降っても困らなくなるライフハックを書きます。

 

問い

いつ雨が降っても困らない方法とは?

 

答え

折り畳み傘を常にカバンに入れておく。

 

以上でした。

これを習慣づけてから雨に濡れて寒い思いをすることは無くなりました。カバンに入れっぱなしにしておいても困らないサイズの折り畳み傘が1000円ぐらいで買えます。晴れの日でも入れておきましょう。コンビニの傘は500円だった気がします。傘を忘れる度に買っているとすぐに超えてしまいます。節約にもなります。

 

もしかしたら、頻繁に忘れるのは僕だけかもしれないです。趣味のことばかり考えていて天気予報をあまり見ないのです。しょっちゅう雨に濡れて帰ってましたよ。

 

祖母に誕生日プレゼントを渡した話

祖母に誕生日プレゼントを贈りました。

 

祖母は寒がりなので、暖まれるものがいいかなって思いインスタントのスープにしました。何処の名物のようで、最中に乾燥した具が入ってます。割ってお湯をかけて食べます。最中に入ってるってだけで醸し出す高級感が違います。そして、印刷された文字もフカヒレ、まつたけ、ひらめ、などと気軽には手が出せない具で完璧です。

 

初めから、プレゼントにはスープかお茶を買おうって思ってました。これを見つけられたのは偶然です。丸善に用があったので向かいにある高島屋の地下一階を覗いてみました。そもそも、高島屋に入ったのは生涯3度目かもしれません。幸運ですね。

 

あんこが入っていないことを検証するために商品を手に取っていると、店員のおばあさんが話しかけてきました。祖母への誕生日プレゼントだと話すと、孫からのプレゼントなんて喜びますよとちょっと嬉しそうで、のし紙を付けて包んだほうがいいですよ。とも勧めてきました。なんだか大袈裟で恥ずかしく、一回は断りましたが流されて、祝誕生日と書かれたのし紙が付けられて綺麗に包装されました。

 

祖母はとても喜んでくれました。受け取った後、いつもとは違う、わざとらしい包装やのし紙にも気づいて感動してくれました。もったいない。何もお礼はできないけれどもねなどと言ってました。

 

今日は、ちょっとだけ良いことができました。店員さんのおかげです。

奴隷の物語

1930年代のアフリカの話を読んでいて、奴隷の物語に心を痛めました。

 

奴隷とは、

 

奴隷の生涯

  • 拉致され売られる
  • 主人に24時間365日こき使われる
  • 年をとったら解放という名の厄介払い
  • 財産がないので数日で餓死

 

奴隷制度がある地域を訪れていた主人公はある年老いた奴隷に、こっそり逃がして欲しいと度々頼まれます。そんな奴隷は初めてでした。奴隷はかつて自分の名前はモハメッドであったと名乗り、羊飼いだった時の話を聞かせてきます。愛するものも、家族もいたと。

 

奴隷たちには服従が全てです。家族、友人、帰るべき家、何もかもを失い、失ったことも忘れ、悲しむことも忘れて、持っていた心を失ってしまっています。

奴隷の希望は、主人が気まぐれに与えてくれるささやかな優しさだけです。たった一杯のお茶でも、奴隷にとっては全てが報われてしまうような幸福なんです。

 

彼はずっと自分の心からモハメッドを失いませんでした。一杯のお茶に幸福の日々を送るよりも悲しみに生きることを選びました。心の中の家族を愛することを選んだのです。

反哲学入門の断片的感想

反哲学入門読み終われました。

勢いで最後のページまで行きました。たぶん半分も理解してないと思います。わからない言葉ばかり出てきて、全部は記憶できません・・。なので、前後のつながりが長くなってくると忘れてしまって文字を追ってるだけの状態でした。哲学の歴史を、それが興った古代ギリシャのソクラティスから現代のハイデガーまでなぞりました。何度か読むうちに分かってくる本だと思います。自分の頭の整理の為に、拾えた断片を書き残します。 

 

  • 哲学が起こった古代ギリシャでは同時に哲学の答えも出ていた。納得せずに問いを続けたのが哲学の始まり
  • 宗教と哲学は影響を与えあってきた
  • 哲学は問いを作り出し、それが分化して様々な学問が生まれた
  • 人間が何かをする根本的な理由や目的、価値観は生き残るため
  •  真理を最も大切だと考えると精神が腐敗する。真理とは現実であり過去だから。一方、芸術が最も大切だと考えると理想が生まれ夢が生まれ、力が湧く

 

大事なことが抜けている気がします。本当は、時代ごとの話なのでその辺も併記しないといけないです・・。違和感がある単語は引用で、高尚な単語もまた引用です。正しいかは知らない・・いつか再読する・・。もう、わからん、

R62号の発明を読んだ

覚えているうちに。

 

今日の朝、R62号の発明を読みました。R62号の発明と鉛の卵という短編集の中の一話。安部公房は国語の教科書に出てきた赤い繭で興味を持って何冊か読みましたが消化不十分のまま本棚に並べてありました。この本を開くのは2度目。

 

あらすじは 、

元技師がR62号というロボットに改造されて、資本家グループの価値観で労働者を最大限活用できる機械を作る。その機械を作動させると休みなく作業を続けなければ指を一本ずつ落とされ、最後は心臓を突かれるという鬼仕様。7本目切られた時、作業者は自殺。それを見ていた資本家グループは感激するがパトカーの音で散っていき、R62号とグループの代表の二人が残される。代表は青ざめながら「何を作る機械だったんだ」と問い続けるがR62号は黙ったまま。

 

後味が悪い話でした。惨殺される人はいるし、問いの答えにはもやもやするし、サラリーマンの運命を予言してるようでもあった・・・

資本家と労働者がでてきて、資本家は強欲で下品に描かれていて、読んでいる途中で資本主義批判がテーマの話かな思いました。

R62号が何も答えない理由は、ロボットは人間の心の鏡ってことなんじゃないかなと思いました。人間がそう作ったからそう動いてしまった。曖昧な概念が具体的なものになった時、世にも恐ろしいものが出来上がったんじゃないかと。

この作品で伝えたいことは資本主義が行き過ぎると自然にこういう仕組みが出来上がってしまうということなんじゃいかなと思いました。機械だけではなく、法律や組織、人間関係もなにもかもそうなのかもしれないです。

資本家じゃなくても周りから最大限の利益を取ってやろうなんて考えてたら、誰も幸せにできないかもしれないですね。

 

って思って書いてましたがwikipediaだと全然解釈違う・・あてにならず

R62号の発明 - Wikipedia

時代の変化で感じ方が変わったのかもしれないです。ITエンジニアで、機械って何ができるのかなんとなくわかってますし、機械に仕事奪われた後の社会に生きているので。

この短編だけならすぐ読めるので、図書館や立ち読みで読んでみるといいと思います。

反哲学入門を読んで

本田元の反哲学入門を読んでます。

3章を読んでいて、ちょうど半分。今まで触れてこなかった言葉や考え、知識にあふれていてます。ページをめくるごとに難易度が高くなる一方です。

 

本の内容はまず、日本人は西洋哲学をどう扱えばいいのかという話から始まり、哲学が興った古代ギリシャからその歴史を追っていきます。

 

哲学というと宇宙とか神とか存在とか時間とか出てきて、掴みどころがなく壮大で神秘的なイメージでしたが、その起源は地方都市ほどの規模でしかなかった古代ギリシャにあった都市国家アテナイの文化の一つでした。それなら、きっと高いところから見渡せるほどの広さだと感じました。

 

日本人は西洋哲学をどう扱えばいいのかというと、日本人にとって西洋の価値観の中で作られた哲学は言葉通りに受け取ってもニュアンスが違っていて誤解してしまいます。哲学が日本に入ってきたのは明治維新の時でその前からあった日本の価値観の中で日本人は生きてます。そして、日本の価値観が劣っているわけではなく西洋哲学で近代起きた革命は日本の価値観に近づいた部分もあるのです。

 

哲学とは何かも簡単に書きたかったのですがまだまだ難しいです。日本人にとってなぜ難しいのか教えてくれる著者がどのように哲学を紹介してくれるのか楽しみです。この本についてまた記事を書けそうな気がします。

この本を読み始めるまでソクラティスやプラトンが頭に浮かんでくることはなかったのに最近はでてきてしまいます。影響されやすいですね。

 

他人の考えを引用した文章と自分の感想文が混ざるのでこの記事は書きづらかったです。どう書いたらいいんだろう。反省。

重力ピエロを読んで

伊坂幸太郎の重力ピエロを読みました。

私はこの作家のファンです。きっかけはアマゾンのランキングだったかなあ。

久しぶりに小説を読もうと思って人気な本のリストを眺めていてアイネクライムナハトムジークという不思議なカタカナの羅列に惹かれて読み始めた。もちろんおもしろかった。

それで、先週、同作家の重力ピエロを読みました。

重力ピエロは余計なことで悩みたくないと避けてきた推理小説だったけれど伏線がわかりやすくて主人公を追い越して解いていけた。これぐらい簡単に話が読めるのなら楽しめる。暗示する行動を目にしてるのになんで気づかないのってもどかしくもあった。ヒントがあって、ヒントで解ける出来事が起きて、しばらくしてヒントを思い出す出来事が起きるという3段構え。丁寧。

 

中盤で予想した通りの犯人だったわけだけれど、動機や背景、登場人物たちの物語があって面白かった。ネタバレになってしまうから書けないけれども、生まれながらに罪を犯す宿命を背負ってしまった犯人には同情しました。

 犯人は自らの存在が愛する人への悪事によって成り立っていたことに気付いた時から、復讐をするべきかずっと悩んでいたんだと思う。自らを否定することになる。殺害するとき迷いなく犯行できたのはそれだけ愛が深かったんだなあと思ってしまった。一緒にいて幸せだった時とか復讐という屈折した気持ちも一緒に湧いてしまっていたのかもしれない。業が深い。悲しい。

謎を解いた主人公は「自首なんてしなくていいじゃん。今まで誰よりも悩んだんでしょ。今更、誰かが口を挟める問題じゃないんだよ」と言っていた。

手錠をかけて正義の味方。って感じじゃなくて人間味のある展開でよかった。サッカーボールぶつけることもなかった。