奴隷の物語
1930年代のアフリカの話を読んでいて、奴隷の物語に心を痛めました。
奴隷とは、
奴隷の生涯
- 拉致され売られる
- 主人に24時間365日こき使われる
- 年をとったら解放という名の厄介払い
- 財産がないので数日で餓死
奴隷制度がある地域を訪れていた主人公はある年老いた奴隷に、こっそり逃がして欲しいと度々頼まれます。そんな奴隷は初めてでした。奴隷はかつて自分の名前はモハメッドであったと名乗り、羊飼いだった時の話を聞かせてきます。愛するものも、家族もいたと。
奴隷たちには服従が全てです。家族、友人、帰るべき家、何もかもを失い、失ったことも忘れ、悲しむことも忘れて、持っていた心を失ってしまっています。
奴隷の希望は、主人が気まぐれに与えてくれるささやかな優しさだけです。たった一杯のお茶でも、奴隷にとっては全てが報われてしまうような幸福なんです。
彼はずっと自分の心からモハメッドを失いませんでした。一杯のお茶に幸福の日々を送るよりも悲しみに生きることを選びました。心の中の家族を愛することを選んだのです。